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便秘とは
便秘とは便の回数が少なく、便が硬いなどの原因から排便時に痛みがある状態のことです。便が出切らない感覚や腹痛など、排便に関するトラブルが長く続いてしまう場合が多く、一般的に見れば、女性の方に多いとされています。
子供の便秘は、大人とは症状の出方や原因が異なる場合があります。
便秘の症状
子供の便秘症で最も分かりやすい症状は、便通の回数の減少です。もしくは数日以上便が出ない状態が続きます。例えば、赤ちゃんであれば1日に数回あるべき排便が1日に1回以下になったり、数日便秘が続いたりするケースです。幼児や学童期の子どもでも、普段より便通間隔が長くなったり、排便回数に著しい減少が見られたりする場合は注意が必要です。
また、便の硬さや形状も目安となります。硬くてコロコロした便や、非常に乾燥していて排泄しにくい状態は、便秘の典型的な症状といえます。便が硬いため、排泄時に痛みを感じる場合もあります。
便秘に伴い、お腹が張って膨満感を感じたり、下腹部に痛みや不快感があったりするケースがあります。これは、腸内に便が停滞していることによるものです。さらに腸内環境の悪化によって、食欲不振や吐き気、嘔吐の症状を伴うこともあります。
このような症状が長く続くことによって、集中力や睡眠の質の低下、イライラしやすいなど、全身に影響が生じる可能性もあります。
便秘の原因
子供の便秘の原因は多岐に渡り、年齢や生活習慣、食事内容など様々な要因が複雑に絡み合っています。単一の要因が原因となることは少なく、複数の要因が重なって便秘を引き起こすことが一般的です。
【食生活】
・食物繊維の不足
食物繊維は腸内環境を整え、便通を促す大切な役割を果たしています。野菜、果物、穀類などの食物繊維を十分に摂取していないと、便が硬くなって排泄しづらくなります。特に、精製された穀物や加工食品を多く摂取する食生活は、便秘のリスクを高めます。
・水分不足
水分は便を柔らかくし、排便をスムーズにします。水分の摂取量が足りず便が硬くなると、便秘になりやすくなります。
・偏食
特定の食品ばかりを好んで食べることも、栄養バランスが偏り便秘の原因となります。
【生活習慣】
・運動不足
運動不足は腸の運動も低下させ、便の通過を遅くします。
・ストレス
ストレスは腸の働きに影響を与え、便秘の原因になりえます。特に、幼少期においては、環境の変化や不安などがストレスとなり便秘につながる可能性があります。
トイレトレーニングの時期に、無理強いをしたり、排便を我慢させたりすることも、ストレスにつながりやすいようです。
・睡眠不足
睡眠不足も腸の働きに悪影響を与えます。
【その他】
病気や薬の副作用として便秘が起こる場合もあります。
便秘の治療法
子供の便秘を改善するためには、食生活や生活習慣の見直し、そして必要に応じて医療機関への受診が重要です。特に、慢性的な便秘や激しい腹痛を伴う場合は、速やかに小児科などへ相談しましょう。当院では毎日の排便の状況を調べるために排便日記をつけていただき、一緒に生活習慣の見直しを行っていきます。
生活習慣の改善だけで効果がみられない場合は、医師の指示のもと、薬物療法を正しく併用することが必要です。
処方される薬は、主に下剤や整腸剤です。下剤の種類には便を柔らかくする効果のある軟便剤や、腸の動きを促す刺激性下剤などがあります。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を含む整腸剤は、腸の腸内細菌のバランスを整えることで、便秘の症状を落ち着かせる効果が期待できます。
他にも浣腸(綿棒浣腸)や、腹部マッサージといった治療法もあります。
ご自宅で気をつけること
便秘の症状は、年齢によって異なる場合があります。赤ちゃんは、授乳の頻度や母乳・ミルクの種類が影響しやすく、幼児期以降では食生活や生活習慣が大きく関わってきます。そのため、子どもの年齢や生活状況を考慮して、症状を判断することがポイントです。
・様々な種類の食品をバランスよく摂取する
・水分を十分にとる
・活発な運動や遊びを通じて、腸の働きを活性化させる
・適切なトイレトレーニング
ご心配なことがあれば一度ご相談ください。